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平成30年度 プラチナ世代のチャレンジセミナー

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年4月1日更新

第1回 1月12日(土曜日) 1健康づくりにチャレンジ
気になるイビキ~睡眠障害と生活習慣病の深~い関係とは?~

                                      講師:中川循環器科・内科 OSASセンター センター長 中川 真吾さん

 第1回は中川循環器科 OSASセンターのセンター長である中川真吾さんを講師にお招きし、睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気なのか、またその原因や治療についてお話を伺いました。
 睡眠時に無呼吸や低呼吸の状態になることを睡眠時無呼吸症候群といい、不眠症とともに睡眠関連二大疾患であると言われています。特徴として睡眠時の大きないびきや頻繁な目覚め、頻尿、日中の眠気による集中力の低下などが挙げられます。肥満や加齢による筋力の衰え、アルコールや睡眠薬の摂取によって上気道筋の緊張が低下することで上気道が閉塞し無呼吸を引き起こします。
 睡眠時無呼吸症候群には多くの合併症がみられ、高血圧や糖尿病など生活習慣病を併発している方が多いようです。3~4割の睡眠時無呼吸症候群患者は逆流性食道炎を併発しており、睡眠障害によるストレスが消化器官にまで影響を及ぼしているのではないかとのことでした。
 睡眠時無呼吸症候群の治療にまず必要なのは生活習慣の改善です。8割の人は減量で改善すると言い、飲酒の制限や禁煙、寝姿勢を変えることでも症状が軽くなることがあるそうです。重度の無呼吸治療にはCPAP(シーパップ)治療が勧められています。CPAP治療とは睡眠時に機械を装着し鼻から空気を送り込むことで気道を広げて無呼吸状態を防止する治療法です。無呼吸の治療でもっとも有効性と安全性が確立しているのはこのCPAP療法だと言われています。
 中川さんは自身もCPAPを利用し、CPAPユーザーの目線に立った診療を心がけているそうです。また、メタボリックシンドロームと睡眠障害の関連を研究するうえでご自身の体重を140kgから70kgに、腹囲を-57.7cm絞られたとのことでその結果と方法に驚きの声があがりました。
 「睡眠時無呼吸症候群は様々な疾患を併存する怖い症状です。このことを認識して、より一層の啓もう活動が必要です」と中川さんはしめくくられました。受講生もうなずきながら真剣に聞かれている方が多くみられました。

受講者の声

 ◆いびきは単なるいびきではなく、いろんな病気を含んでいる事が多いということなので、たかがいびきされどいびきです。

 ◆睡眠時無呼吸症候群の合併症がたくさんある事に気がつきました。健康のありがたさと大切さを学びました。

第2回 1月19日(土曜日) 2時事問題にチャレンジ
ゆとりある人生を過ごすためのマネーセミナー
                       講師:ファイナンシャルプランナー、NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 小野 雅紀さん

 第2回はファイナンシャルプランナーの小野雅紀さんを講師にお迎えし、老後の資金にどのくらい必要か、また資産運用の仕組みについてお話を伺いました。
 まずは、自分がどのライフステージにいるのか知り何をすべきかを考えました。35歳から64歳までを長期の積立や資産の分散などをすることでお金を増やしていく資産形成期、65歳から84歳までは資産の運用や取り崩しする資産保全期といいます。85歳からはボーナス期、今まで積み立てた資産を使っていく時期になります。これらを踏まえ、ゆとりある老後に向けて考える3つのステップを学びました。
 ステップ1は老後資金として本当に必要な額を知ることです。豊かな老後を想定し、生活費が月35万円の夫婦の老後20年と夫婦どちらかが亡くなって10年過ごすという夫婦の老後30年の一例を考えただけでも豊かな老後には1億円以上必要になり、今後の物価上昇も考えるとさらに準備が必要だと分かりました。
 ステップ2は信託を活用した資産保全です。今後の信託の形として家族信託について学びました。資産を預ける人を親、資産を 預かる人を子どもとし、運用により得た資産の利益を得るのは親とするのが家族信託の基本です。愛媛県は空き家が多い地域のため、空き家対策として家族信託を活用することもできます。
 ステップ3はインフレ率を考えてそれ以上に資産を増やす方法です。投資はギャンブルのように思われがちですが、本当の意味はライフプランのために資産を積極的に増やすことをいいます。そのために積立や分散投資などが有効です。資産運用を考えると個人年金や債券が現実的とのことでした。
 小野さんは「老後資産の不安は誰もが抱いています。今回の学びや気づきを活かすにはまず行動する事が大事。取捨選択は自分でするものですが、ここで何もしないのはもったいないです。」と述べられました。現状を知り、資産の信託や運用など具体的な方法を学んだことで、家計を見直す良いきっかけとなりました。

受講者の声

 ◆空き家となった家をどうしてよいか分からず、大変困っておりました。手がかりをいただいたので考えていきます。家計を老後に備えて今すぐ見直してみます。わくわくしてきました。

 ◆資産運用というのはお金だけではなく、自分の身体や経験も使えることが納得でした。

第3回  2月2日(土曜日) 3教養アップにチャレンジ
万葉恋語り~額田王と二人の天皇~                        講師:松山市立子規記念博物館 館長 竹田 美喜さん

 最終回は万葉集の中から優れた歌人であった額田王と二人の天皇、天智天皇(中大兄皇子)と天武天皇(大海人皇子)にまつわる恋の歌を読み解きました。
 舞台となったのは飛鳥京の飛鳥宮周辺です。山を支えるようにできた亀型や飛鳥寺、飛鳥大仏など、当時の跡が残る奈良を竹田講師自らが撮った写真をもとに巡りました。
 二人の天皇の母親である斉明女帝がつくったといわれる亀型や天皇制の始まりとなった大化の改新の象徴である蘇我入鹿の首塚など、奈良にある遺跡を額田王になった気持ちで巡ることで当時の飛鳥京の様子を知ることができました。
 次に、家系図や関係図から額田王と二人の天皇との関係性を紐解きました。額田王は大海人皇子と結婚し十市皇女を産んだ後、大海人皇子の実の兄である中大兄皇子と結婚します。これは、中大兄皇子が短気で猜疑心が強く、組織の中でも頭切りをするような性格であったことを知っていた額田王が、大海人皇子を殺させないためにとった戦略であったと言われています。
 また、天智天皇から大海人皇子と額田王で恋の歌を詠むよう指名された際、恋の歌のルールである男性から求愛の歌を詠み、女性が断るという流れを変えて額田王から断る歌を詠むことで、大海人皇子を手助けし、さらに天智天皇の顔を立てることもできるなど賢く機転も利かせられる女性でした。
 額田王の歌の中で有名な戦勝予祝歌「熱田津に 船乗りせむと 月待てば 潮も叶ひぬ 今は漕ぎ出でな」という歌はこれから戦地へ向かう人々の士気をあげるために、伊予の温泉に天皇の行幸で訪れた際に読まれたものです。松山市御幸町にある護国神社内には歌碑が建てられており、愛媛と額田王のつながりを感じることができます。
 写真で奈良の遺跡を巡り、歌を音読することで額田王の心情の一端を知ることができました。おりしも平成が最後になる年、古代の天皇家に思いを巡らせた内容の講座ということもあり、受講生のみなさんも興味を持って受講されていました。

受講者の声

 ◆万葉の歌を基軸に繰り広げられる、大河ドラマのような展開に引き込まれました。先生の深い洞察に憧れすら感じました。奈良京都近江へと行く機会があるので、さらに飛鳥、吉田へと足を運んでみたいと思います。

 ◆以前から興味があったテーマですごく勉強になり、楽しく時間が早くておもしろかったです。