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令和元年度リーダー養成セミナー 「あなたにとって新しい時代のリーダーとは?」

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年3月24日更新

第1・2回 9月19日(木曜日)
仲間の思いを受け止め、引き出すファシリテーション入門
講師:九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授、NPO法人 日本ファシリテーション協会 フェロー 加留部貴行さん  

 初回は、チーム意識を高めるリーダー力、対話を通じた共働の場づくりについて学びました。
 まず加留部さんから、これまでの社会の変化を踏まえたうえで、地域コミュニティで起きている少子高齢化やコミュニケーション不足、世代間のギャップが職場でも起きており、不安を抱えている職場の現状をお話しいただきました。
 このような中で、重要なのが人と共働するうえで欠かせない「対話」です。対話には引き出す力が必要となります。これからのリーダーには「仕切って管理をする」だけではなく、「支援し自発性を促す」ことが求められています。
 そこで、対話を意識したペアワークを行いました。実際の会議では、意図していなくてもタブレットや資料ばかり見ている人が多く、無反応になりがちだそうです。話しやすい場の雰囲気を作るには、相手に興味を持って話を聞く「傾聴」が重要とのことでした。

 続いて、話す事を意識したワークを行いました。1分間の自己紹介を行い、話している姿勢や声の大きさなど無意識に出てしまう部分がより伝わってくることを学びました。
 これらのワークを応用し、話を聞いてアドバイスをするワークや、話し合いで合意に至るまでのプロセスを学ぶワークを行いました。
 最後に、加留部さんは、色々な人と話す事に慣れておくことや、老若多様なメンバーを分ける時代から、混ぜる時代へと変化していることを述べられ、「対話を通じて現状や背景を共有することで、相手の想いを引き出し、自身の新たな視点を発見できます。それによって、それぞれの職場だけではなく、自身も元気になれるよう過ごしてほしいです。」と締めくくられました。受講生も多くのワークを通し、対話や傾聴、相互理解の重要性を学べたようです。

受講生の声

 ◆聴くことは聴す(ゆるす)こと。どうしてそれを言っているのかを考える。その人の背景が見えると、その人を理解できる。まずは、話を聴くことの大切さを勉強できました。

 ◆対話を通じてのコミュニケーションがいかに大事か分かりました。今後、自分の理想ではなくまずは相手に興味を持ち、対話をどんどんしていこうと思います。

第3・4回 10月3日(木曜日)  
組織に活かすアンガーマネジメント

講師:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントトレーニングプロフェッショナル
    2級キャリアコンサルティング技能士 石井真奈さん

 第3・4回は苦手意識を持っている人が多いと言われる「叱り方」について、アンガーマネジメントを基にした指導方法を学びました。
 始めに、上手に指導していると思う理想の人を考えました。指導する際に、理想の人を思い浮かべ、真似てみることで自身のスキルアップにつなげる、プレイロールというアンガーマネジメントのテクニックの1つを学びました。
 怒りの感情は不安や虚しさ、焦りなどの感情から起こっているそうです。怒りの気持ちをぶつけるだけでは、人間関係の悪化やモチベーションの低下につながるため、アンガーマネジメントによる感情のコントロールが必要とのことです。
 そこで次に、自身の感情をコントロールする方法を学びました。カッとなったときの怒りの持続時間はどんなに長くても6秒と言われています。反射的に怒りをぶつけないために、6秒の間に深呼吸をしたり、次に出す言葉を探したりすることで気持ちが落ち着くそうです。自分が落ち着く呪文を心の中で唱えて6秒待つことも有効との事でした。

 続いて、叱り方の上達方法を学びました。叱る際には基準を明確にし、「ちゃんと」や「常識的に」といった人によって程度の変わるような言葉は使わず、具体的なリクエストを提示すること重要とのことでした。
 最後に、キャリアコンサルタントとしても活躍している石井さんから、地域や社会の発展のためには女性の活躍が必要であるという話を伺い、どのようにすればより女性が活躍できるかをグループで話し合いました。残業を少なくすること、夫や上司の理解や協力が必要という意見が出されていました。
 アンガーマネジメントを土台に、心穏やかな人生と快適な職場を作る意義を学ぶ講座となりました。

受講生の声

 ◆人間関係の悪化を恐れて”叱る”ことがなかなかできませんでした。自身が何に怒っているのか、その正体と向き合って、適切な叱り方や向き合い方を考えていきたいと思います。

 ◆怒っている、モヤモヤしている部下からの相談を受けることがあります。単なるアドバイスだけではなく、納得してもらえる手法でケアしていきたいです。

第5・6回  10月17日(木曜日)
リーダーシップの新しい形~サーバントリーダーシップ~             講師:岡山理科大学 副学長・教授 秦敬治さん

 第5・6回は、新しいリーダーシップの形として注目されている「サーバントリーダーシップ」について学びました。
 組織やグループの先頭に立ち、メンバーを引っ張っていく今までのリーダーと異なり、奉仕の精神を持ち、さらに率先して周りを導くリーダーのことをサーバントリーダーと言います。社会に貢献し、私欲ではなく利益を生み出す価値のある目標を示したうえでメンバーに役割を与え、支援することで支えてもらうというのがサーバントリーダーシップの形です。
 サーバントリーダーシップの核となるのが、道徳的権限または良心と呼ばれるものです。道徳的権限(良心)には4つの特徴があり、道徳的権限を持つ人は自ずとサーバントリーダーになっていくそうです。さらにサーバントリーダーには10の特徴があります。決して拒絶せず、どんなときも受け入れ、共感することが大切な姿勢で、特に傾聴と共感が重要な要素とのことでした。
 積極的にリーダーシップを発揮する人も、そうでない人も、まずは一歩下がったところから周囲を見渡して自身の位置を確認することで、大事なものを見分けることが出来るようになるそうです。その後、全体で見渡せた方が良いか、前でじっくり見た方が良いか自身に最適なリーダーシップを考えることが大事とのことでした。
 これからの新しいリーダーシップを学ぶとともに、今一度自身のエンパワーメントを考える良い機会となりました。

受講生の声

 ◆リーダーとして人に仕えるだけではなく、コンセプトを持って導く、役割を与えて能力を高められるよう、1つずつ実行していこうと思いました。自分に何ができるか、今一度考えてみようと思います。

 ◆学んだ事を少しでも生かせられるように、常にアンテナを張りながら向上心を持って頑張りたいと思います。

第7回  11月1日(金曜日) 【オープンカレッジ】
リーダーのための「時事問題」 ”#ME TOO”、セクハラ、パワハラ問題にどう取り組むか?
講師:職場のハラスメント研究所 所長、労働ジャーナリスト 金子雅臣さん

 最終回は、受講登録されていない方も受講できるオープンカレッジ方式で、セクハラやパワハラに代表されるハラスメントの判断基準や防止策について学びました。
 ハラスメントとは、広い意味では迷惑なことや相手を悩ませることを言い、最近では多くのハラスメントが問題となっています。今回は特に問題となっているセクハラとパワハラについて取り上げました。
 セクハラを判断するには、被害者の不快感の程度や職務上の地位、関係性(NOと言えない関係であるか)、を基準とします。さらに、発言の内容や継続性などを考慮し判断します。体への接触がなくとも、上の立場からの下品な発言や、性差別的な言い方をするものはセクハラと判断される可能性が高いとの事でした。
 続いて、パワハラの判断ポイントを実際の判例を見ながら考えました。業務の範囲を超えた叱責や、相手の人格、容姿や生い立ちなどを批判するような言動はパワハラだと判断されます。
 年代による考え方の違いから生じるコミュニケーションギャップがハラスメントを引き起こすことが多いそうです。しかし、関係性がきちんとできていればハラスメントになる前に対処することができます。上司と部下とのコミュニケーションが、ハラスメントの防止には重要とのことでした。
 判例を基にした具体的な基準を知ることで、改めてリーダーとして自身の職場環境やハラスメントへの対応を考える良い機会となりました。

受講生の声

 ◆セクハラ、パワハラの判断基準が分かってよかったです。コミュニケーションが本当に大切だと思いました。

 ◆上の立場になるにつれて、色々なことを色々な角度から見られるようにならないといけないと思いました。相手の立場に立って言動したり、セクハラ問題に取り組んだりしていきたいと思います。

 

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