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令和2年度 わたしの未来ぷらす塾 ~自分らしく暮らす、つながる~

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年4月1日更新

第1回 9月19日(土曜日)
行動する女性たち~ゾウの支援を通して環境問題に取り組む~
                              講師:市民団体(松山市NPO登録団体)かぐや媛 代表
                                  愛媛県環境マイスター  山岡ヒロミさん

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 初回は、とべ動物園のアフリカゾウの支援活動をしている山岡さんを講師に迎え、支援活動を通して感じたゾウと人とのつながりや地球環境への取り組みについて館外学習としてとべ動物園へ行き、お話を伺いました。
 とべ動物園は、前身の道後動物園を経て、1988年に開園しました。そして現在、アフリカゾウが家族で暮らしている日本で唯一の動物園となっています。
 山岡さんは、とべ動物園のゾウ一家の生い立ちや家族の絆を知り、支援するために「かぐや媛」を立ち上げました。「かぐや媛」では、アフリカゾウ家族の写真展や小学校でのお話会、絵本の出版を通じてゾウたちを知ってもらうことで支援の輪を広げています。また、子どもたちと食や環境のことを一緒に学びながら、餌となるサツマイモを育て、プレゼントする活動なども行っています。
 これらの活動を通して、支援を必要としているのはゾウだけではないと知った山岡さんは、地球環境問題にも目を向けています。
 地球上の動物たちは、様々な要因によって日々減少しています。中でも森林伐採によって熱帯雨林が大幅に減少し、住処を奪われた動物は多くいます。人間の生活が便利になるにつれ、大量生産、大量消費、大量廃棄するようになりました。その裏ではたくさんの生き物や自然が犠牲となっており、私たちは消費者として、必要以上に買っていないか、買ったものを大切にできているかを考えることが重要です。
 最後に、地方の公立動物園の運営の難しさにも触れ、動物の尊厳や権利を尊重した動物ファーストの動物園を作るには、社会や地域住民からの関心や声が必要だと述べられました。山岡さんは「動物は、自然からのメッセージを私たちに伝えていて、これからも動物を通して地球環境のことを発信していきたいと思います。想像力を働かせて、動物たちの裏にあるメッセージを感じてもらえたら。」と締めくくられました。動物と人とのつながりを知り、動物や地球環境のために自身ができることを考えることができました。
 講義後、実際にアフリカゾウ舎の見学をしました。飼育員の方にゾウの生態について解説していただき、実際に媛ちゃんがトレーニングする様子を見ることができました。蹄のケアなどをしている際も大人しく、飼育員さんの合図で左右の足を入れ替える様子には、受講生から感嘆の声が出ていました。また、特別にゾウ舎の中まで見学させていただき、貴重な体験ができました。

受講生の声

 ◆地元愛媛で、地球規模の活動をされている山岡さんがいらっしゃること、今日初めて知り、感銘を受けました。私にもできることがあると思います。まずはかぐや姫の活動のことを話して、家庭から、友達から輪を広げていきたいです。今後の生き方、在り方を考える一日になりました。

 ◆感動的な山岡さんのお話から多くのことを学びました。地球上の生物を守る方法を考えていかねばと強く気持ちを動かされました。

第2回 10月3日(土曜日)
初めての気功~身体を整え、健やかに暮らす~
                    講師:健康スポーツ科学研究所 インストラクター  盛實園子さん、盛實鈴佳さん

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 第2回目は、県内各地で気功教室を開催している、盛實園子さんと盛實鈴佳さんを講師に迎え、心や身体を整える気功を体験しました。
 愛媛県男女共同参画センターでも週に2回、気功教室をされている他、スポーツクラブやデイサービス等で活動されています。参加者には、健康のために参加している元気な方はもちろん、中には自律神経失調症や鬱、内臓疾患や末期がんを抱えて参加している方もいるそうです。
 気功の中でも盛實さんがメインで教えているのは「マインドフルネス気功」と言い、ストレッチや瞑想などを通して心を良いエネルギーで満たすものです。身体を動かすことはもちろん、参加している人たちが癒し合う場を含めて「マインドフルネス気功」となります。
 講座の後半は、気功ストレッチを体験しました。まず、座禅のような姿勢で座り、目をつむった状態でゆっくりと呼吸をします。腰や膝などが辛い場合は、足を伸ばしたり、座布団などで少し高さを出して座ったりして自分の楽な姿勢で行います。無理せず自分の気持ちよさを優先した、自身の「いい加減」で行うことが重要です。呼吸や全身を伸ばすストレッチを通して身体と心がリラックスすることで、身体の内に流れる生命エネルギーの流れが良くなり、自然のエネルギーが流れ込みやすくなります。
 また、呼吸やエネルギーの流れを意識しながら、腕を伸ばしての前屈姿勢や、腕を上げて身体を横に曲げ半身を伸ばしながら身体をほぐすストレッチを行いました。その中には筋肉トレーニングやヨガのような動きを取り入れてあり、軽く汗を流しながら身体全体の流れを整えることができたようです。
 最後に、横になってリラックスして瞑想をする「ヒーリングメディテーション」を行いました。横になり、目を閉じて木々に囲まれているイメージをします。優しい音楽と盛實さんの穏やかな声に導かれ、自分の中の楽しいイメージや良いイメージで全身を満たしていきました。
 講座を通して、受講生たちも最大限にリラックスできたのか、中には「少し寝てしまった」と話す方もいました。気功を体験したことで、コロナ禍で疲れてしまった心と身体を穏やかに整えることができたようです。

受講生の声

 ◆園子先生の体験談興味深く聞きました。“気”のパワーですね。“ありがとう”も“祈ること”も“意識”。ポジティブ。参加してすごく良かったと思いました。気功体験では、普段使わない部位が元気に“気”を巡らせていくのを感じました。

 ◆心も身体もゆったりとできて、横になっている間寝てしまいました。家でも思い出してやってみようと思います。

第3回  10月17日(土曜日)
つながる女性たち~人に寄り添い、人とつながる~
              講師:特定非営利活動法人U.grandma japan(うわじまグランマ) 代表理事 松島陽子さん

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 第3回は、被災者支援を中心に地域社会のつながりを支えているうわじまグランマの代表である松島さんを講師にお迎えし、地域活動の現状や地域から広がるつながりについて伺いました。
 うわじまグランマは2018年に起きた西日本豪雨災害をきっかけに宇和島で結成されました。自身の地元である南予地方に土砂崩れ、浸水被害、停電などの大きな被害を引き起こした災害を目の当たりにし、被災地のためにできることはないかと考え、活動を始められました。
 主な取り組みとしては、被災地への炊き出しや物資支援、地域包括支援などが挙げられます。高齢者の方の自宅へ支援物資を運び、行政支援などが必要な場合には行政へ取り次ぐ活動なども行っています。以前、高齢者宅を訪問した際に、下着型の紙おむつが洗濯物として干されている様子を見て驚愕し、おむつや生理用品などが支援物資として届きづらい現状を知った松島さんは困りごとや支援のニーズを引き出せるよう、より一層顔を見て話を聞くことを意識するようになったそうです。
 さらに、災害支援活動をする中で、1人で暮らす高齢者や、自宅に居ながら孤独を感じている子どもたちが気軽に頼れる場所が地域に必要だと考え、子ども食堂を開始しました。地域交流や地域の課題を受け止めるセーフティーネットとしてだけではなく、西日本豪雨災害の経験を活かし、大規模な災害が起きた場合にすぐ協力し合えるネットワークづくりの役割もあります。
 現在は、学校が休校になったことによる学校給食の中止など、コロナ禍の影響を受けやすいひとり親家庭を対象に食材支援を行っています。学校や行政と協力したチラシの配布やLINEを活用するなど工夫し、食材を取りに来た方に必要なものやコロナ禍で大変だったことの聞き取りを行い、次回の支援に活かしていきます。都合がつかず取りに来ることができない方には宅配もしています。
 最後に松島さんは、「私たちだけではできない、みんなで作っていく活動だと思っています。今は、何かあった時につながっておく、お互いが顔の見える関係としてつながることが大切です。」と締めくくられました。物資の備えだけではなく、いざという時の備えとして「つながり」を持つという新しい視点を見つけることができました。

受講生の声

 ◆日頃気になっていること、分かっていてもできるかどうか?等々、みなさんの意見を聞くことができ、とても良かったです。参考にしたいことがたくさんありました。自分が住んでいる地域は?と思いながらよく分からないことを反省しています。

 ◆災害時の対応の仕方が良く分かって勉強になりました。つながりをつくる機会を設けるヒントを教えてもらえました。

第4回  10月31日(土曜日) 【オープンカレッジ】
百まで生きる覚悟~超長寿時代の身じまい方~           
                           講師:元松山大学人文学部教授、臨床社会学者 春日キスヨさん

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 最終回は、登録していない受講生も参加できるオープンカレッジ形式で開講しました。家族社会学を中心に研究されている春日さんを講師にお迎えし、超長寿時代となった現代の身じまい方について伺いました。
 子どもの世話にならずピンピン・コロリで逝きたいと考えている人は多いようですが、実際は8割の人は最期まで誰かの世話を受けているとのことです。加齢により虚弱になってしまったヨタヘロ(フレイル)期の高齢者の頼りは家族か自分もしくは介護関係機関です。一人暮らしの場合は基本的には自力で生きるしかないため、親族や友人とのつながりの有無が生活を大きく左右します。
 また、頼りとなる介護現場はコロナ禍でヘルパーや訪問型のサービスが縮小した事以外にも、緊急事態宣言以降人の集まりが中止や大幅に減り、地域の互助が閉じたことでヨタヘロ期の人達を支援することが難しくなっています。これにより、最期まで自宅で過ごすことを望みながら、コロナ禍に一人で暮らし続けることや家族への負担を不安に感じる方が増え、まだ自宅で過ごせる人でも施設入居を選択することが増えたそうです。
 そんな中、最期まで自宅で暮らすことを考えた場合はしっかり備えておく必要があります。本人に必要な情報収集や診察までの手配などの役割、医師と患者間の連絡拠点としての役割、費用負担者としての役割は家族や後見人も担うことができるため、つながりや良い関係性を築くことが重要となります。しかし、治療の打ち切りなども含めた医療に関する意志決定については、自分の役割として考えなくてはなりません。
 さらに、3つの「きん」(お金、筋肉力、近所力)を蓄えておくことや、歩く力を少しでもつけておくために足腰を鍛えておくこと、子どもやきょうだい以外に身近に頼れる人やすぐに連絡の取れる人を探しておくことが重要で、これらの蓄えには多くの時間がかかるため、元気なうちから動き出す必要があります。
 最後に、春日さんは「人は1人で生きていけません。信頼して誰かを頼る、自分でできる事は自分で。元気なうちにつながりを作ること。そして、私たちの生活を支える公的制度に関心を持ちましょう。」と締めくくられました。受講前は単に子どもの世話にはならないと考えていた受講生も多くいましたが、自身の考えを見直し元気なうちに何ができるか、主体性を持って考えることができたようです。

受講生の声

 ◆ため息の出るような厳しい「ヨタ、ヘロ」期の現実を知り、これから先の意識改革や生活習慣、認識を改めなければならないこと等々、多く学ぶことができました。

 ◆老後に必要な事をたくさん学べました。本当に身近に感じました。真剣に考えます。

 

 

 

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