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令和2年度地域エンパワーメントカレッジ研修報告

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年4月1日更新

地域エンパワーメントカレッジとは?

 地域エンパワーメントカレッジは、男女共同参画の視点から地域力の強化と地域の活性化につなげるための意識啓発講座です。

 令和2年度は宇和島市、内子町、新居浜市の3会場で各会場3日間の日程で実施しました。

講義の前に…

 講話2講話各会場の講義の前に、男女共同参画センター職員による講話を行いました。

 「男女共同参画社会とは」をテーマとし、「男女共同参画」という言葉の意味や

 法律についてなど「男女共同参画」を学ぶための基礎的な知識についてお話しました。

 《全会場共通》 第1回
ともに創る地域の未来 ~男女共同参画で考える~      愛媛県男女共同参画センター館長 竹本道代

 戦後、日本は高度経済成長を遂げる中、女性の社会進出が進み、時代とともに女性の地位は少しずつ向上してきました。現在では、共働き世帯の増加に伴い、家庭内では、夫と妻が家事や育児をお互いに協力し合うことが当たり前という考え方が、男女ともに広がりつつあります。
 男女共同参画社会基本法ができて21年になりますが、個々人の意識が徐々に変わる一方で、経済、政治、教育等の様々な分野では、未だに男女格差が潜在しています。
 例えば、国は、女性活躍推進の一環として、各分野での指導的地位に占める女性の割合を、2020年までに30%程度とする目標(202030)を掲げていましたが、それも2030年まで先送りされました。また、先般の組閣(菅内閣)でも、女性は僅か2人と、諸外国と比べてもとりわけ低水準となっています。日本の男女格差(2019世界経済フォーラム算定)は、世界153ヵ国中121位に低迷しているのが現状です。
 高度経済成長期の社会構造の中で作られた性別役割分業は、未だ根強く残っていますが、性別による固定観念から脱却し、個々の個性や能力を活かしながら、誰もが生きやすい社会を形成していくために、これからは一人ひとりが皆違うこと(個々の多様性)を見定める視点を持つことが大切です。また、少子高齢化による急速な人口減少は、地域コミュニティ(危機対応力、文化維持力、防犯力等)を弱体化させます。
 それを防止するためには、地域住民が主体となり、行政と関りながら自分にできることから始めること、そして何よりも、生活者の視点を持つ女性の意見を取り入れ、地域力をより高めていくことが重要です。
 性別や職業、年齢だけでなく、考え方や価値観の違いまでを含む各々の多様性(ダイバーシティ)を認め合い、地域住民が皆でともに考え、行動できる多縁社会を一緒に形成していきましょう。

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 <受講生の感想>

 ◆普段、当たり前のように感じていた事でも、よく考えると違っていたり。自分も間違った意識を少しずつ変えていくことが大事だと思いました。

 ◆何となく理解していたつもりでしたが、具体的に一つ一つ丁寧に掘り下げて説明いただき、今の私の年齢でも、もう少し活躍できるかなと思いました。

 ◆女性が元気だと元気な町になると言われています。いろんな女性の会のみならず、いろいろな活動に顔を出していきたいと思いました。

≪宇和島会場≫ 第2回
いざというときにあわてない 防災備蓄収納のススメ
                              整理収納アドバイザー2級認定講師、防災備蓄収納1級プランナー 脇本陽子さん

 未曽有の自然災害が年々増えてきている中、防災に対する私たちの意識や関心は高くなっています。いざというときのための防災備蓄収納について、講師の脇本陽子さんにお話を伺いました。
 脇本さんは、自分が持っている防災グッズを紹介しながら、個々のグッズがどういう時に、どう役立つのかを説明しました。中でも、非常用リュックはすぐに持ち出せて、コンパクトかつ軽量であることや、普段は便利なキャリーバックでも被災場所では逆に不便であるといった説明には、受講生から「帰ってからもう一度グッズを見直したい」「家族で確かめながらリュックを作り直そうと思う」等、多くの反応がありました。
 災害が起こってからでは間に合わないので、自分の住まいを改めて見回し、どんな危険があるかを想像したうえでグッズを購入することも減災対策につながります。ただ、一気に備蓄しようとすると、金銭的・心理的な面で負担が掛かるので、少しずつ、無理なく準備をしていくことを提案されました。

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 <受講生の感想>

 ◆防災備蓄収納は普段から点検することが大切である。少しずつ実践していきたいです。

 ◆早急に非常持ち出しリュックを作り直そうと思いました。(家族で確かめながら…)

《内子・新居浜会場》 第2回
健康いきいき生活 ~食と運動で免疫力UP~             管理栄養士、健康運動指導士 松本孝子さん

 コロナ禍のなかで自らの健康を維持していくためのヒントを、栄養や運動の側面からお話ししていただきました。私たちの体には免疫機能があり、病原菌などから守られています。免疫力は高いほど良いというイメージがありますが、花粉症や自己免疫疾患などは、免疫力が過剰に働いている状態なのです。免疫力は、活性と抑制のバランスが重要ですが、その調節に万能に働く栄養素はないため、様々な食品をバランスよく摂ることが大切です。
 体の中に入った異物を排除する自然免疫細胞の活性化には、(1)体温を上げる、(2)腸内環境を整える、(3)様々な栄養素のバランスのよい摂取等が考えられています。体温を上げるために必要な筋肉は、適度な運動によって維持されますが、運動が苦手な人は日常生活の中で座っている時間を短くすることを意識したり、大笑いしたりすると腹筋運動になるうえ、ストレス発散にもなり免疫力も上がると言われているそうです。また、腸には免疫細胞の70%があるので、腸内細菌の餌となる食物繊維をしっかり摂ることや、起床や食事の時間をなるべく一定にして、蠕動運動を起こりやすくしたり、体のリズムを整えたりすることが大切です。さらに、エネルギー産生栄養素と呼ばれる「たんぱく質・脂質・炭水化物」のそれぞれの性質や働きを説明したうえで、大事なのは食品数を多くし総合的なバランスを良くすること、そのためには楽しみながら食事をすることがより効果的であることを話されました。講義の合間には、椅子に座ったままできる運動をみんなで実演するなど、リフレッシュの時間を交えながら、楽しく学習できました。

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 <受講生の感想>

 ◆60歳代になって体調不良が出てきて「食べ物が身体を作る」こと、改めて感じます。もっと意識することが必要だと思います。多くの人が知る(勉強する)ことができるといいなぁと思います。

 ◆体の中・体の外のことを簡単にわかりやすくユーモアたっぷりに話したり、体を動かしたりしていただきありがとうございました。

≪全会場共通≫ 第3回(前半-1)
(ひめ)の国から始まる、自分らしさを活かせる社会づくり -愛媛県の取組み-
                                                                                      愛媛県男女参画・県民協働課担当主幹 津田淳也さん

 愛媛県では「媛の国から始まる、自分らしさを活かせる社会づくり」をスローガンに男女共同参画社会の実現を目指しています。その取り組み一つが、ひめボス制度の導入です。ひめボスとは、組織の業績向上とワークライフバランスの実現を目指すだけでなく、愛媛県の地域活性化も応援する、愛媛県版イクボスのことです。男女が共に働きやすい職場づくりと、活気のある地域づくりに向けて、ひめボス制度のさらなる普及を目指しています。
 また、愛媛県は子育て世帯の夫の家事・育児時間が全国平均以下であり、家庭内の男性の家事参画を支援するための事業として今年度からカジダン講座を実施しています。カジダンとは、家事を楽しみながら積極的に行う男性のことを指し、本事業は家事のスキルアップを図るだけでなく、男性たちの交流の場とネットワークづくりを目指しています。 

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 <受講生の感想>

 ◆地域のつながりの大切さを改めて考えさせられました。

 ◆地道な活動に関心しました。

 ◆県や市の具体的な取り組みが知れてよかったです。

《宇和島会場》 第3回(前半-2)
(ひめ)の国から始まる、自分らしさを活かせる社会づくり -宇和島市の取り組み-      
                                       
       宇和島市企画情報課 川井祐治さん

 「宇和島市は第3次宇和島市男女共同参画基本計画を平成30年に策定し、“ともに創ろう 男女(ひとりひとり)が輝くふるさとうわじま”というスローガンを掲げ、1あらゆる分野における女性の活躍、2すべての世代への男女共同参画意識の浸透、3生涯にわたり安心して暮らせる社会づくり の3つの基本目標に沿って男女共同参画を推進しています。現在は、市内の自治会長や審議会・委員会等における女性の占める割合などを2027年度までに一定の水準まで高めるための数値目標を設定し、政策・方針決定過程への女性の参画を推進しているほか、男女共同参画に関する教育・学習機会を作るための出前講座を実施するなど、男女共同参画社会の実現を目指し、各取り組みを進めています。」

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 <受講生の感想>

 ◆無知の事が多く、大変勉強になりました。

《内子会場》 第3回(前半-2)
(ひめ)の国から始まる、自分らしさを活かせる社会づくり -内子町の取組み-
                                                                              内子町総務課  光藤真司さん

 内子町は、第3次内子町男女共同参画基本計画を令和2年3月に策定し、1 人権の尊重と男女共同参画のひとづくり、2 ともにつくる豊かな地域づくり、3 生涯いきいきと暮らせる環境づくり、4 対等なパートナーとして働ける職場づくり の4つの基本目標を立てて、“みとめあう 男女(ひと)の生き方 きづくまち”の理念のもと、男女共同参画社会の実現を目指しています。この計画は「10年後の内子町がどのようになっていてほしいか」という視点で、よりよい地域社会になることを目標に作られました。今後は多くの自治体が行政の力だけで維持していくのが困難な時代になってきます。だからこそ、これからの地域づくりには企業や行政、個人の垣根を越えて、住民一人ひとりが地域の担い手となっていくことが大切です。

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 <受講生の感想>

 ◆内子町の10年後が楽しみです。

≪新居浜会場≫ 第3回(前半-2)
(ひめ)の国から始まる、自分らしさを活かせる社会づくり ー新居浜市の取組みー 
                                                                 新居浜市男女共同参画課  和田隆宏さん

 現在、新居浜市は令和3年度から始まる第3次男女共同参画計画の策定を進めています。計画の内容としては、現在の第2次男女共同参画計画の中で軸としていた6つの主要課題(1一人の人権を尊重する社会づくり、2男女共同参画の意識作り、3ひとりひとりの能力が発揮できるまちづくり、4ともに働きやすい環境づくり、5男女共同参画の家庭・地域づくり、6いきいき暮らせる社会づくり)をもとに、さらなる男女共同参画の実現を目指しています。これまでの取り組みとしては、平成25年の新居浜市配偶者暴力相談支援センターの設置や、女性活躍に向けて積極的に取り組む事業所・団体を支援するために始まった女性活躍等推進事業所認証制度など、それぞれの課題に応じた取り組みを進めています。

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 <受講生の感想>

 ◆新居浜市の男女共同参画計画を分かりやすく説明していただき大変勉強になり、色々活動している事を知りました。

≪宇和島会場≫ 第3回(後半)
地域でつなぐ、人とのきずな ~キーワードは”支え愛”~       
                
特定非営利活動法人U.grandma Japan(うわじまグランマ・ジャパン) 代表理事 松島陽子さん 

 宇和島市は一昨年、西日本豪雨により甚大な被害を受けました。松島さんは被災地の状況を目の当たりにし、自分たちに何ができるかを考え、被災者の立場に立った支援をしたいという思いから、うわじまグランマを立ち上げ復興支援活動を行ってきました。
 被災直後は各地に物資を届けたり、炊き出しをしたりと手さぐり状態で支援をしていましたが、活動を続ける中で自分たちが直接支援するだけでなく、被災者が何を必要としているかを把握し、それを行政や企業、ボランティア団体などにつなげていく中間支援という役割の重要性に気づいたそうです。そこから、うわじまグランマの“人と人をつなげる”活動が始まりました。支援活動を通して交流が生まれた全国各地のボランティア団体とは、現在も情報交換や相互学習をするなど活動の輪を広げています。
 こうした災害支援を通して、地域のつながりの大切さを強く感じたという松島さんは現在、誰でも気軽に利用できる子ども食堂を開いて地域の人たちの交流の場づくりに取り組んでいます。この子ども食堂は単に食事を提供するだけでなく、幅広い世代の人たちが交流できる新たな地域コミュニティとして機能することを目指しているそうです。松島さんは「子ども食堂という場所から人と人がつながり、信頼関係を築きながら地域で支え合いができるような街になってほしい。」とこの取り組みに懸ける思いを語られました。受講生からも「地域のつながりの大切さ、支え合うことの重要さを考えさせられた。」という感想もあり、講師の地域への熱い思いが伝わる講義となりました。

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 <受講生の感想>

 ◆地域との繋がり、お互い支え合うことが重要だと感じました。

 ◆まずは、住んでいる地域の事を知っていこうと思いました。貴重なお話をありがとうございます。

≪内子会場≫ 第3回(後半)
人がつながる、未来につなげる、私たちの地域づくり
                 特定非営利活動法人内子未来づくりネットワーク(うちみづネット) 代表理事 小野里枝美さん 

 小野さんは父親の仕事の関係で小学1年生の時に内子町の五十崎に引っ越してきました。その後、大学進学で上京し内子町を離れることになりましたが、都会で生活していく中で、子どもの頃は当たり前だった豊かな自然があふれる内子町での穏やかな暮らしが特別なものだったのだと気づかされたそうです。そして、この素晴らしい環境の中で暮らしたいという気持ちが次第に強くなり、31歳の時に家族とともに内子町に移り住むことになりました。
 帰郷後、子どものPTAや地区の行事などに参加していくうちに、「大きな榎の木の下で」「元気わくわく川まつり」といった自然に親しむ地域イベントの運営にも携わるようになりました。内子町の自然とふれあう機会が多くなるにつれて、小野さんは「もっとたくさんの人に内子町の魅力を発信して、後世に伝えていきたい。」と考えるようになったそうです。そして、2016年に地元の主婦のみなさんなどを中心に内子未来づくりネットワーク(うつみづネット)を立ち上げられました。うちみづネットは主に、町内の学校で環境学習を行ったり、自然と触れ合える体験会を企画したりと、地域の子どもたちに内子町の良さを改めて知ってもらうための活動に取り組んでいます。また、これまでに培った経験と広い人脈を活かして、様々な団体の橋渡しとなり、企業や行政、学校と連携した地域づくりに取り組むなど活動の幅を広げています。
 現在も精力的に活動を続けるうちみづネットですが、小野さんはご自身の地域づくりの取り組みについて、「私たちの世代で終わらせず、次世代に継承していきたい。」と話し、地域一体となって持続的に取り組んでいくことの大切さを受講生に訴えかけながら講義を締めくくりました。

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 <受講生の感想>

 ◆地域をつなぐ活動の中心に女性がいる内子町はすばらしい。その活動のサポートをする住民が各分野にいることを知りました。

 ◆”一緒に取り組む”ことが大切→町づくりに参加することはその地域を盛り上げて住みやすい町になることを信じて少しずつ何かできたらなぁと思いました。

≪新居浜会場≫ 第3回(後半)
 タッ   ケナル   マカ   タッ   チンタ
”Tak kenal maka tak cinta(知らなければ愛せない)” ※マレーシアのことわざ
 ~私から見た新居浜市~
                                             新居浜市国際交流員 ファラさん

 子どもの頃に日本のドラマを見たことがきっかけで日本文化や日本語に興味を持ったというファラさんは、2007年から東京の大学に留学し、その後マレーシアの日本国大使館での勤務などを経て2019年に新居浜市の国際交流員に着任されました。現在は通訳のお仕事や文化交流イベントを開催するなど、新居浜市の国際化に向けて活動されています。
 ファラさんが留学した当時の日本は、異文化や宗教に関する知識・理解があまり浸透しておらず、外国人に対する扱いに戸惑いを感じることもあったそうです。しかし、現在では東京オリンピック開催の影響もあって、外国人向けの公共サービスが浸透しつつあり、以前と比べてずっと暮らしやすい環境になっているそうで、国内の在留外国人の数は令和元年末時点で約300万人と過去最高になっています。
 現在、国際化の流れは東京などの都市圏だけでなく、地方でも進んでおり、日本はすでに多文化・多民族が共生する社会になっているといえます。そのような社会の中では、国籍・人種・性別などにとらわれず、お互いをよく知り理解し合うことが大切です。ファラさんは「多くの外国人が求めているのは、“特別扱い”ではなく、“普通の扱い”です。」と述べながら、多様な生き方や文化について理解と認識が進むことが、誰もが暮らしやすい社会を実現することにつながるということを説明されました。
 一人ひとりの違いをよく知り、それを受け入れていくということの大切さについて講義を通して伝えられたファラさんは最後に、これからの国際交流員としての活動の中で地域の子どもたちに「“みんな違っていて、みんないいんだよ”ということを伝えていきたい。」と、これからの活動にかける思いを語りながら講義を締めくくられました。

地域21 地域22

 <受講生の感想>

 ◆ファラさんの具体的な生活体験、ファラさんから見た日本、とても良かったです。

 ◆日本の男女共同参画社会から、さらに外国人との共同参画社会への第一歩のイベントに感激します。